介護福祉受講報告 No13〜15


 件名 : 介護後福祉報告-13            2000/02/19 (土)


長いこと受講報告をサボっておりました

習うことがあれこれ多岐にわたり多いため中々まとめがつきませんので
少しずつ(研修が終わってからも・・)報告します
今日は痴呆高齢者の介護についての報告−1をします

1.痴呆とは
  一度、正常に発達した知能が 「病的」 に低下し
  自分や周囲の状況判断が不正確になり、
  自立した生活が困難になっている状態
  (痴呆=職業的・社会的機能の障害)

  これは「病気(障害)」なのです! したがって子供扱いは
  絶対してはいけません(自戒をこめて!!)

2.痴呆のメカニズム
 
 1)記憶のメカニズム 
   記憶は以下のメカニズムにより成り立っている

  @集中・注意する  新しい情報に意識をむける
  A覚える(短期記憶) 脳に取りこみ一時的に保存する
    処理メモリ上の記憶のようなもの・・

  B保持(長期記憶) 印象深い出来事は「思い出」として
     また意識的に覚えこむ「知識」として脳に長期保存する
     ディスクへのファイル名をつけた保存のようなもの・・・
  C思い出す(検索、取りだし)  
     蓄えられた時々に応じた必要なものを検索し取り出す

3.物忘れと痴呆の違い
  ☆正常な人の物忘れは Cがうまく行かない事で起る
     ・・・FPDを何処にしまったか、なんと言うファイル名で
     何処に保存したか忘れた・・・など
  ☆痴呆の人は
     AからBへの移行が出来ず長期記憶として保持できない・・・・
     したがって昔の事は良く覚えている!!  事が多い・・・ 
                    
4.痴呆の症状
  1)中核症状  (残念だが薬はない!!)
    @記憶障害  ・最近のことからだんだん忘れて行く・・・
             ・体験したことすべてを忘れる
    A知能障害(知的機能の低下)
          ・時間、場所、自分と周囲の関係(見当識)がわからず
           状況判断、適切な行動が取れなくなる
    B人格障害(感情・意欲の変化)
          ・脳全体の機能が低下するため「感情」を表さなくなったり
           活発だった人がふさぎ込んだりする

    @Aより痴呆の人は「時間のつながりのない中に生きている」
    といわれます。 そのため、不安・混乱・緊張から防御的になり、
    何時も不安定な心理状態にある

  2)周辺症状  (押さえる薬はある)
    @被害的意識・疑い
    A不安・パニック
    B攻撃的行動
    Cまとまりのない行動

 3)症状の時間的な変化
   ☆中核症状はだんだん進行していく、
    但し適切な対応でその進行を押さえることが出来るそうです
  
    周囲の対応が良いと10年以上も初期のままで
    経過した事例もあるそうです!

   ☆周辺症状は発症が不定期で、現れたり消えたりします
    しかし、これも良くなったのでなく、たまたまその間症状が
    出なかったということだそうです・・・・

今回はここまでにします
次回は痴呆原因による症状の違いをお伝えします


件 名 : 介護福祉報告ー14               2000/04/03 (月)


  今日は入浴介護について報告します

  一日で60人もの入浴を4つの浴槽でやるんですから大変です
  週2回の入浴日で夫々半分づつかと思っていましたら
  全員週2回入浴でした!
  (土曜は別にリハビリ入浴がある・・一部の人)
  
  スタッフは
  1)病室から送り出してその間にシーツを交換し、ベットを清掃し
    着替えを準備して廻る係り
    (入浴できない方の全身清拭もこのメンバがやります)
  2)ストレッチャというベット状の台車や、車椅子で浴室との間を
    送迎する係り
  3)浴室内で入浴させる係りにわかれます

  1)2)はこれまで何度もやっていましたが
  3)は先日はじめてやらせてもらいました!

  感想はとにかく暑くて、腰は痛いし腰を下ろす暇も場所もなく、
  手はふやけてしまいました
  でも、浴槽で気持ち良さそうに手足を伸ばして目をつぶっている
  患者さんを見ると頑張ろうという気になりました!

  ☆こちらのいでたち
   薄手のシャツに首手ぬぐいをして、長靴、ゴムの大きな前掛け、素手です
   私はこれに汗取りのバンダナを頭に巻きました
  ☆浴室
  首振り式の電気ストーブがあって脱衣後の患者さんが
  寒くないようにしてあります

  浴槽は機械で患者さんを浴槽に沈めることが出来るのが2セット
  これは両側に洗い台があり交互に入浴させます
  浴槽には温水、冷水が絶えず供給されており、シャワーもついています
  お湯にはやはりお茶の袋が入っており殺菌、
  皮膚を守る効能があるようです

  他に、自力で(見守りと援助しながら)入浴できる浴槽が2セット、
  これが病棟の浴室です
  他にも病院全体で、何時でも入浴できる男女別の大浴槽と
  何時でも入浴できる身障者用個室浴槽が2個あります
  ☆入浴手順(機械式・・私が担当した方)
  1)まず、ストレッチャ-で運ばれてきた患者さんの着衣を脱がせ
    オムツを外します
  2)洗い台に移して足元から順にお湯をかけます
  3)陰部など汚れている部分を洗い流します
  4)二人で頭&顔、体にわかれてシャンプー、石鹸で洗います
    ・頭は額にタオルの土手を作り手にシャンプー&リンスを
     つけて優しく指の腹でこすり、すすぎます
     その後、タオルでふきあげます
     次に、タオルに石鹸をつけて顔、首、耳などを軽くこすり
     洗ったタオルで2,3度拭い取ります
    ・体は手、腹面、背面、足、陰部と石鹸をつけたタオル洗いますが
     特に拘縮した指の間など素手でゆっくり開きながら
     よく洗うことが大切です
     お年寄りは皮膚が弱いので
     私はほとんど素手に石鹸をつけて洗いました
     
     *オムツを外してもうんちが出続けている人もいて
       こんな人は手早く洗って(寒くないようにお湯をかけながら)
       風呂には入れずにまたオムツを当てて送り返しました
  5)そのあと横にスライドさせて浴槽の上に移し、レバーで沈めます
    浴槽の中では、拘縮した指、腕、足などを静かに動かしてあげて
    リハビリさせます
  6)充分温まったら揚げて横の台に移し、むとうはっぷのお湯をかけて
    手早くバスタオルでふきあげ、バスタオルのままストレッチャ−に
    移して病室に運びます

  気をつけることは
    ・羞恥心には特に気を配り、タオルで前を覆って手早く洗うこと
    ・洗っている時、寒くないように常にお湯をかけてあげること
    ・浴槽の中での体の安定に気を配ること
    ・強くこすりすぎないこと  などです

  午前中が終わった時は全身びっしょりで、すぐに全部着替えました!!


件名 : 介護福祉受講報告ー15           2000/04/18 (火) 


介護福祉受講報告もサボっている内に講習は終わってしまいましたが
最近やっと体の調子が戻ってきました
といっても体重は3kへった状態ですが・・・

今日は2月19日のSNF−464でお話した痴呆高齢者の二回目です

先に痴呆は「病気(障害)」であることを述べましたが
これは一種の生活習慣病であるといわれています

無気力がほとんど痴呆の原因とも言われており
「人と交わる人はボケない」・・一人でやる趣味でない方がいい
「脳の刺激が少ないとボケる」などとも言われております

痴呆のイメージとして
☆徘徊   ☆物忘れ  ☆異食行為  ☆無関心
☆不潔行為  ☆被害妄想  などがあります

痴呆の人は事柄毎の点の上に生きており
これらの行為は全てその点上では合理的な行動なのです

したがって、これを大事にしてやり認めて、どんな点上に
居るのかを理解してあげることが大切です

さて、痴呆はいくつかに分類できます

(1)脳血管性痴呆(脳出血、脳梗塞など)
   これは脳の血管障害で起るもので、血管の破れや
   つまりが原因疾患です

   日本人の痴呆の40〜50%を占め、男性に多いようです
   高血圧(私も危ない!)、糖尿病、心臓病、動脈硬化の人に
   起りやすく、食事や運動に注意し、生活習慣病を予防することが
   大切です

   前症状として
   手足の麻痺、口のもつれ(言語障害)、ものが飲みこみにくい、
   記憶力の低下、意欲・自発性の低下、失語、尿失禁、感情失禁
   などが上げられます(私も幾つかありそう!!!)
   それから、痴呆症状の出方にむらがあり、まだらボケの状態が続きます

  自覚症状は
  前項のほか、頭痛、めまい、痺れ感、不眠など
  運動障害として 片麻痺、言語障害などがあり、発作の度に症状が
  進みますが、発作が起きなければレベル低下はないのが特徴です

(2)脳萎縮性痴呆
  ☆初老期痴呆として アルツハイマー病、ピック病、
               クロイフェルトーヤコブ病などが
  ☆老年痴呆として  アルツハイマー型痴呆 があります

  これ(特にアルツハイマー型痴呆)は脳の神経細胞が脱落し、
  脳が徐々に萎縮していく病気で、何時とはなしに物忘れなどが始まり、
  症状どんどん進んで行きます(個人差が大きいですが・・・)

  高齢者ほど起りやすく、女性に多いようです

 ☆第一期  物忘れ、場所や時間の誤り・・・など
 ☆第二期  言葉の理解・表現力の低下、
         纏まった行動が出来ない・・・・
         徘徊   など
 ☆第三期  高度の痴呆となり全介護が必要で寝たきりの状態へと
         進んで行きます

  この進行には個人差が大きく、適切な対応、刺激などでも
  進行に差が出てくるとも言われています
  第一期で長くとどまりその後急激に進む人や、
  どんどん進む人などです 
 
  以上で今回は終わります

  次回は基本的な接し方をお伝えします


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