介護福祉受講報告  No21〜22


  件名:介護福祉受講報告ー21       
送信日:2000/05/11 (木)

  今日は痴呆介護の八回目です
  前回「問題行動と精神状態への対応」について
  書かせていただきました
  
  前回は「徘徊、迷子」「被害妄想」「譫妄」の精神状態の特徴と
  そんな時の対応を書きましたが、今回もその続きです
  
  ☆幻覚
   △症状
     夕方や夜間天気の悪い時、昼寝の後、体調の悪い時、
     視力障害・聴力障害のあるとき、譫妄時などに、
     実際にないものが見えたり聞こえたりする状況です
  
   △その場での対処法は
    ・老人の訴えを受け止める(本人には見えたり、
     聞こえたりしているので否定しない)
    ・話しのつじつまを合わせてあげる
    ・いやがっているものが見えるようなら、追い払ったり、
     片付ける格好をする
  
   △治ってから(普段から)の対処法
    ・照明の工夫によって、部屋を明るくする
    ・幻覚を誘発しているもの(壁のしみなど)が有れば
     取り除いておく
    ・最後は薬物療法の検討が必要かも知れません
  
  ☆家に帰りたがる
   △症状
     家や郷里に帰りたいと訴える(これが徘徊の原因に
     なることがあります。・・・徘徊の項参照)
   △その場での対処法
    ・「もう一晩泊まっていったら」などといって、思いとどまらせる
    ・話しを変えて関心をそらす
    ・一緒に出かけて行って、本人の要求を満たした上で、
     別の事に気をむかせて、思いとどまらせる
   △その後の対処法
    ・何度も繰り返されるようであれば、実際に機会を作って
     行きたいところへ連れて行き安心させる
  
  ☆過食
   △原因
    ・満腹中枢を侵されていたり、欲求不満を食べることで満たしたり
     ということが原因のようです

   △状況−1
    ・再三、食べ物を要求する
    ・食べたことを忘れる
   △その場での対処法
    ・今食べたことを説明しても納得しませんので
    (1)次に食べる時間を示して待ってもらったり
    (2)今支度していることを話す(これは結構効果的なようです)
   △検討のポイント
    ・訴えをまともに受け止め、食事内容、量を再検討する
    ・長持ちする飴玉や軽い間食を渡して満足させる
    ・間食などを少量ずつ渡して見る

   △状況ー2
    ・絶えず食べている
    ・食卓に出したもの、身近に有るものを全て(何人分も多量に)
     食べてしまう
   △その場での対処方法
    ・食器を小さな物にして、何杯もお代わりに応じる
   △日常の対処法
    ・病院などであれば家族に必要異常に食べ物を
     持参しないように話す
  
    実習中やはり沢山の食べ物を抱えてくる家族の方に逢いましたし、
    (家族の方の気持ちもわかりますので
     なかなか断るのが難しいですが・・)
    毎日売店で色んなものを買ってくる方にも会いました・・・
  
    ・身近に必要以上の食べ物を置かない
    ・冷蔵庫に鍵をかけるなど、自由に開けられないようにする
    ・他の楽しみとなるものを与えてみる(私はやはりこれが一番だと
     思いますが、中々興味を示さなくなってきますと、手を変え品を変え
     しなければなりません・・・)
    ・健康状態(便の状態、量など)をチェックする
  
  私の親父は、これと逆に食べきれない、食べないものでも
  私達と同じ量欲しがりますので、出来るだけ大皿で
  食べるだけその人が取り分けるような出し方をすると、
  無駄な食べ物が出な事を最近気がつきました・・・
   (それでも沢山取ろうとしますが・・・)  
  
  ☆異食
   △状況
    ・雑草、花、乾燥剤、防虫剤、調理してない生物
     腐ったもの、線香、石鹸、洗剤、スポンジ、紙、
     タバコ、ビー玉、化粧品、便  等をたべる
    ・これは味覚の低下や、満腹中枢が侵されていたりして
     食べ物との区別がつかないことから来るものです
  
   △対処
    ・別の食べ物を与え、それを食べている間に、
     口にいれている害の有るものと交換する
  
   △普段からの対処法
    ・身の回りから、口にして危険なものを、目に付かない
     手の届かないところに整理し、しまうようにする
    ・長持ちする飴玉や軽い間食を渡しておく
    ・健康状態の異常に注意する
  
  今日は親父のデイーサービスの施設に料金の説明を受けに
  行きますのでここまでにします
  
  次は失禁・不潔行為について書きたいと思います


  件名:介護福祉受講報告ー22       
 送信日:2000/05/13 (土)

  先ほどから雨が降り出して静かな土曜日です
  (でももうすぐ台所の工事業者が来るはずですが・・)
  今日は親父もデイサービスに行きました
  
  このところ私の体調がすぐれなかったもので、
  朝の散歩に連れて行かなかったものですから
  親父も今朝は、何やかやと理屈をつけて
  (よくまああんなにすらすらと出てくるものだと感心します・・)
  散歩をいやがっていました
  でも、歩き出すと機嫌よく、そして腰が痛いといっては
  体を回していました・・・運動不足が原因だと言ったら
  納得したようでした・・・
  
  さて今日は痴呆介護の九回目
  失禁・不潔行為についての報告です
  
  ☆基本的な考え方
   1.失禁の原因や状況を判断する
   2.失敗を叱らない
   3.失敗を未然に防ぐ方法を考える
  
    特に叱ったり、汚いといったりするのは良くないようです
  
  ☆状況ー1
   △玄関・廊下・部屋の隅、風呂場などで排尿・排便する
     (放尿では滑りやすくなり、転倒する危険もあるので
     予防と早めの対処が重要です・・・)
  
   △原因と当座の対策
     (1)トイレと思いこんでいる   →  トイレ代わりの容器
                        を放尿場所に置く
     (2)トイレを探しあぐねている → トイレの表示などをつけて
                        判りやすくする

   △根本的な対策
     尿意や便意のサインを見落とさずキャッチして、タイミング良く
     誘導することですが・・・本人のインターバルや特徴的な
     言動を如何に早く掴むかがコツです
     (落ち着きがなくなったり、うろうろし出したりが多い様ですが・・)
  
  ☆状況ー2
   △・便器内をかき混ぜる
    ・トイレの中の便を手で放り出す
    ・失敗したのを自分で片付けようとして、周囲を汚す
    ・ポータプルトイレを、自分で始末しようとして、
     洗面所に流す
    ・トイレに紙オムツ、トイレットペーパー、スリッパなどを
     詰まらせる(誤ってものを落とすことも・・)
  
   △対策  なかなか適切なのがないようですが・・・
    ・トイレやポータプルに行ったのを早めに察知して
     失敗のないよう介助するしかなさそうです・・
    ・また、早めに失敗を見つけられるよう、目線の
     届く工夫をするしかないようです
    ・一部に対しては
     ロールペーパーを落とし紙に変えて見たり、
     トイレに流されるようなものを置かないなどの
     工夫をして見ることでしょう・・
  
  ☆状況-3
    △オムツを外す
  
    △対策
     ・原因を探して、排泄物がそのままになっていないか
      暑かったり、窮屈だったりしていないかを調べて
      適切な処置をすることでしょう
  
  ☆状況ー4
    △便をいじったり、あちこちにつけたりする
  
    △背景を探る
     ・湿疹やオムツずれなどが痒いのではないか
     ・中々出なくってそれを何とかしようとしているのでないか
      など
  
    △普段から
     ・排便の内容、排便時の状況、排便パターンなどを
      観察し、一番あった排便習慣をつける事が重要です
     ・また、爪なども伸ばしたままにさせないとか、
     ・やはり早く見つけて清潔にしてあげることが
      重要です
  
  あまり説得力の有る内容ではありませんでしたが・・
  
  私の実習中にも担当の患者さんを見まわっていると
  口の周り、手指にいっぱい黒い物がついている人がいました
  良く見るとシーツのも、ベッドの柵にもついています
  調べて見ると排便したのが気持ち悪くて手を突っ込んで
  触ったようでした
  その手をきれいにしようと、なめたり、周りに塗りつけたり
  していたようです
  
  口の中をガーゼでぬぐい、うがいをさせ、指の間は
  古い歯ブラシでこすり洗いしました
  
  勿論,おしめを真っ先に替えましたが・・・
  本人の気持ち良さそうな、感謝の眼差しを
  受けることが出来ました・・・・
  
  次回は痴呆介護のご家族への支援のポイントを書きます
  (私にも役に立ちました・・・)


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