介護福祉受講報告    No16〜18


  件名:介護受講報告ー No16    
送信日:2000/04/19 (水)

  今日は 昨日に続いて痴呆高齢者の三回目です
  
  昨日は痴呆の種類とその原因・特徴などを述べましたが
  今日はそれらの方々への接し方について述べます
  
   (接し方)
  痴呆の人に接したり、介護するとき大切なのは「痴呆」という
  病気をよく理解することです
  病気の本質をしっかり理解していないと、間違った対応をし、  
  しばしば感情的になってしまい(私もわかっていても時々
  やってしまいます!)、お年寄りを傷つけてしまったり、
  その結果かえって進行を早めてしまう場合があります!!!
  いくつかのポイントを述べます
  
  (1)自尊心を傷つけない
  
  痴呆の方も「その行動には全て意味があります!」
  昨日も言いましたように時間軸上のある「点」での行動として・・・
  ・・・・時間軸が繋がっていないのが問題なのですが・・・・
  間違った行動に対し、叱ったり、訂正したり、説得や強制的な
  指導をすることは無意味です・・・・・私もよくやらかしてしまいます!
  
  まずその行動を認めてあげることが重要です!
  叱られた原因はわからなくても(理解できなくても)、
  忘れても、叱られた時の屈辱感は残ります
  同じようなことが度重なると、うつ状態や被害妄想になったり、
  時には攻撃的にさせてしまいます!!
  間違った行動をしたとき、否定せずに、
  先ず彼が一生懸命行動したことを支持することが大切です
  
  たとえば「ああ、なるほど、そんなやり方もいいですね!」とか
  「そうだったんですか!」とかまず認めて、
  その上で「このようにするのはどうでしょうか?」
  などと正しい方法を示したり、
  「それは大変でしたね!」と労ってあげたりすれば
  傷つけずに済みます
  
  「だめ!」・・・は禁句です!!
    ・・・・・・・特に口先介入は慎む必要があります・・・
    ・・・・・・・言葉より行動で!!
  
  どんどん長くなりそうなので、今回はここまでにします
  
  次回も続きになります


  件名:介護受講報告ーNo17        
送信日:2000/04/20 (木)

  今日は痴呆高齢者の第四回目です
  昨日に引き続き「接し方」のお話です
  
  昨日は意識上は「点」の上で生活している痴呆の方の
  行動には意味があること、自尊心を傷つけないように
  先ず認めてあげることの大切さを述べました
  
  今日は
  (2)情報の与え方  です
  
  情報は相手にわかる言葉で、判るように伝えることが
  重要なことは世間一般や親子、夫婦の間と同じですが
  特に記憶の長期保存への過程に問題がある痴呆の方に対する
  接し方にはいくつかの留意事項があります
  私も親父との会話で充分には実行できないでいますが・・・
  
  ☆近くで話す
   最も効果的な位置から話すことが重要です
   テーブルやベット越しに話すのはよくありません
  
  1m以内で話すのが良いでしょう 
  また間に他の人が居ると気が散ってだめですし
  後ろからの声かけは相手が振り向いて転倒するなど
  事故の原因になりやすいので絶対に避けなければなりません
  
  ☆納得のいくように話す
   痴呆のため言葉が理解できなかったり、意味も判らなかったりで
   中々納得されません(説得はだめ!)
  
   同じ事を済んでいても何度も催促したりしますが
   すでに 「済んだ」 と何度言ってもだめです
   そんな時は実物を見せて理解させたり、他の事に気をそらしたり
   その人にあった方法を探すのがベターです
  
  ☆簡潔に伝える
   一度に幾つもの事を話すと混乱します
   伝える時は単純な内容にしてひとつずつ伝えるのが効果的です
  
   過去・現在・未来の繋がりのない「今」という
   点の上に生きていることを忘れずに!
   特に先のことは伝えないようにするのが良いようです! 
  
  ☆老人にわかる言葉を使う
   生まれ育った土地の言葉や、
   土地の言葉で伝えるのが効果的なようです!
   年齢を忘れて自分が若いと思っている人も多いので
   「おじいちゃん」「おばあちゃん」よりも氏名の方が良いようです
   (身内では難しいかも知れませんね?)
  
  ☆相手の感情に働きかける
   痴呆の方は介護者の言動をよく見ています!
   言葉だけでなく優しい仕草や温かい眼差し、
   手を握る、肩を抱くなど感情面に働きかけることが
   信頼関係を作る上で大変役に立ちます
  
   全ての会話に言えることですね!
  
  ☆老人の話しに合わせる
   現実にありえないような事を言ったりしますが
   (我家でも多いです・・・)
   逆らったり、訂正したリしない 
   間違いを訂正するとかえって混乱させてしまいます
   (過去を知っていると中々・・・・ですが・・・)
  
  今日はここまでにします・・・
  明日もこの続きです


  件名:介護受講報告-No18        
2000/04/21 (金)

  今日は親父と唐津湾にゴムボートでキス釣りに行くつもりでしたが
  雨が降りそうなので中止しました
  
  さて、痴呆の方との接し方で、昨日は情報の与え方
  (与えるといい方に抵抗がありますが・・・)でしたが
  今日は 介護福祉受講報告ー18 痴呆高齢者の第5回目です
  
  (3)現実を強化する  
  ☆痴呆度が軽度から中程度の頃は記憶障害や見当識障害
   (今が何時か、ここが何処かなどが判らない・・)などで
   周囲の状況を正しく理解できず、
   常に不安や焦燥感が起りやすいのです
   したがって、些細なことで混乱反応を起しやすいものです
   こんな時は、折に触れて現実を知らせる
   (今が何時か、ここが何処か、何をしているのかなど・・・・
   =24時間現実見当識訓練・・・朝ですから顔を洗いましょうとか、
   夕食が済んだので歯を磨きましょう・・とか現在の状況と動作を
   結びつけて話す・・・)
   ことで落ち着きを取り戻す事が多いようです
  
   その人がどんな状況を思い浮かべているのか
   (どんな状況の中に居ると思っているのか)を知る事が重要です
  
  ☆折りあるごとにフルネームで呼びかけて月、日、曜日、時間、
   介護者の名前、場所などの基本的な事を知らせる事です
   食事も単に「ご飯ですよ」ではなく、「昼ご飯ですよ」
   「夕ご飯ですよ」
   ・・など・・時間との関係で知らせるのが良いようです
  
  ☆混乱が激しい時期(時期的に痴呆度が変化するため)には
   カレンダーを使ったりして確認するのも良いでしょう

  (4)昔話を聞く
  ☆痴呆の方も輝いていた時期があるはずです
   過去を回想する時、
   その人の最も輝いていた頃に焦点を合わせることで
   自尊心を高めることが出来ます
   思い出のある土地や品物がよい刺激になります
   入院する時も持って行くものは新品ではなく、
   使いなれたもの
   愛着のあるものを持って行く方がよいです
  
  今回はここまでです
  次回は観察と認識についてお伝えします 
 


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